ミラノ酒チャレンジ 2023

2023年審査会は、6月24日、25日の2日間にわたり、ミラノのホテルNHOWにて行われました。
テイスティングおよびフードペアリング審査は90名、デザイン審査は45名、合計135名の審査員が審査にあたりました。
 
審査:
審査前には、公平な審査になるよう、全ての審査員に向けた講義を行いました。コンクール専用のアプリケーションSake Index の使用方法、仕組みについてもここでレクチャーがありました。
 
・テイスティング審査は、ブラインドテイスティングのみの審査で、採点方法は、個々の審査員の評価癖を回避するため独自の標準偏差とアルコリズム等を導入した sake indexを使用し、 より公平で精密なジャッジが行われました。
 
・フードペアリング審査では、ワイングラスを使用し、各イタリア料理と共にブラインドテイスティングを行いました。2023年のフードアイテムは、魚介のサラダ(イカ、タコ、甲殻類をレモンとオリーブオイルで味付けしたもの)、ボロネーゼパスタ(肉と野菜を煮込んだソースをショートパスタで)、イタリア産生ハム、ピッツァマルゲリータ、苺のジェラートと、日本でも人気のイタリアを代表する食品・料理とデザートなどと合わせて審査しました。日本酒とイタリア料理が持つ味の特性をお互いに引き出し合える、最適な組み合わせを判断しました。
 
・デザイン審査では、ボトル、ラベル、キャップ、箱などの洗練度・魅力・機能性について、イタリア・ミラノの最先端で活躍するデザイン・ファッションのエキスパート・デザイナーを審査員に迎え、審査を行いました。日本酒はカテゴリごとに分けて配置され、価格帯と味わいの代表的特徴が説明された上で、それぞれの日本酒の表現がきちんとされているかどうかを審査してもらいました。
 
・フードペアリング特別賞
2023年から、フードペアリング特別賞を設けました。今回はパルミジャーノ・レッジャーノチーズ賞とし、パルミジャーノ・レッジャーノ協会の協力を得て、協会公式テイスター10名が審査に参加。公式テイスター長のファビオ・ジベルティ氏、バッティトーレ長(パルミジャーノを叩いて品質審査する専門職人)のレナート・ジュディチ氏も審査に当たりました。用意されたチーズは、12ヶ月、24ヶ月、40ヶ月熟成の3種類。まずはチーズをテイスティングし、味わいを分析。その後、あらかじめテイスティング審査員たちによってセレクトされた日本酒52アイテムを一つひとつ試飲し、それぞれのチーズとのマッチングを審査しました。会場には割たてのチーズの香りが充満し、審査員たちも日本酒がチーズの味わいを引き立てていることに感心していた光景が印象的でした。
 
カテゴリ分け :
審査は、純米大吟醸・大吟醸酒部門、純米吟醸・吟醸酒部門、純米酒・本醸造部門、スペシャル部門(スパークリング酒、古酒、柚子酒、梅酒)の4つのカテゴリーで行われました。

​判定項目 :
製品の外観、タイプ、光沢(部門による)を目で判定
香りと芳香を鼻で調べる
風味と味を口で確かめる
鼻と口内滞留時間の協調で日本酒の最終的な全般的評価を行う
フードとお酒の調和をもとにした全般的評価(フードペアリング審査)
ラベル・ボトル・キャップ・箱など外観が商品を表現できているかを審査(デザイン審査)
 
審査員 :
審査員は、イタリア酒ソムリエ協会認定の酒ソムリエ資格を持つ酒ソムリエ(ワインソムリエ、レストランオーナー、シェフ、バーテンダー、販売者など)のうち、イタリア在住のイタリアの飲食に強く関わる方々を中心に構成しました。ミラノ酒チャレンジの特徴の一つは、審査員全てが、日本酒についての正しい知識を学んだ、酒ソムリエ資格取得者です。
また、レストラン、バー、販売などを通じ、常に日本酒と関わり、日本酒への興味関心の高い方々ばかりです。
​デザイン部門では、ボトルやラベルの洗練度・魅力・機能性などを審査するために、デザイン・ファッション界のエキスパート達も招聘し、ミラノ酒チャレンジならではの審査を行いました。
 
利き酒ティスティング部門の審査員90名、デザイン部門の審査員45名を合わせた総勢135名の審査員が、合計548銘柄の審査にあたりました。

利き酒審査部門では、プラチナ賞・ダブル金賞・金賞・銀賞・銅賞が選出され、全体の10%が各賞を受賞しました。
フードペアリング審査部門では、ベストフードペアリング賞が選出され、全体の5%が各賞を受賞しました。
デザイン審査部門では、ベストデザイン賞が選出され、全体の10%が各賞を受賞しました。
パルミジャーノ・レッジャーノチーズ特別賞は、合計548銘柄の中から、3銘柄が受賞しました。




Fuori Milano Sake Challenge

翌日の6月25日には、「Fuori Milano Sake Challenge」が開催されました。この盛大なイベントは、日本酒愛好家と日本の食文化に興味がある人々が集まり、大成功を収めました。
約1000人もの方々に来場いただき、イタリア国内そして国外で最も重要な日本酒イベントの 1 つになりました。
イベントのプログラムには、ガイド付き日本酒テイスティングのほか、パルミジャーノ協会によるチーズカッティングデモンストレーション、日本酒セミナーも用意。何世紀にもわたる日本酒歴史から現代の日本酒動向まで、日本酒のさまざまな側面を感じていただきました。